
『ルパン』 Arsène Lupin
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:ロマン・デュリス、クリスティン・スコット=トーマス、
エヴァ・グリーン
****あらすじ****
アルセーヌ・ルパン(ロマン・デュリス)、1874年生まれ。
父はボクシングのトレーナーで盗人。強盗の罪に問われた父は
逃亡した。父に頼まれたアルセーヌは世話になっている館の家宝
マリー・アントワネットの首飾りを盗み、父に渡した。
ところが、翌朝。父はむごい死に方で発見された。館を追われた
アルセーヌと母。友達のクラリス(エヴァ・グリーン)とも別れ
エトルタの地を去った。
上流階級の貴金属を狙うスリになった青年アルセーヌは幼友達の
クラリスと偶然再会し、再び館に住むことに。だが、二人の関係は
アルセーヌの雇い主でもある彼女の父には内緒だ。
ある晩、クラリスの父が秘密結社の会合に参加しているのを見て
しまった。裁判で裁かれたカリオストロ伯爵夫人ジョゼフィーヌを
助けたアルセーヌ。彼女に盗人になる手ほどきを受ける。
教会と癒着する、王制派の秘密結社は王家の財宝の在り処を
探していた。3つの十字架に隠されたメッセージにヒントがある。
この十字架を巡り、ルパン、ジョゼフィーヌ、秘密結社が対立する。
秘密結社の謎の男、ボーマニヤンがアルセーヌの父を殺したのは
ジョゼフィーヌで、彼女は魔女、必ず裏切ると忠告する。永遠の
美を保ち続けるジョゼフィーヌ。彼女は魔女なのか、敵なのか。
ジョゼフィーヌの金庫にマリー・アントワネットの首飾りが。
幼いアルセーヌが父のために盗み出した首飾りだ。なぜ、彼女が?
3つの十字架を揃え、宝の在り処を読み解いたアルセーヌは故郷
エトルタの奇岩にいた。そこにはボーマニヤンも。彼は何者だ。
アルセーヌの父なのか。
身ごもったクラリス。しかし、生まれた息子をジョゼフィーヌに
さらわれ、クラリスを殺されてしまう。それから十数年後。
アルセーヌはジョゼフィーヌを見かけた。一緒にいる青年は…。
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音響効果や特殊効果が満載で、大金を投じて作った娯楽作品。
『アルセーヌ・ルパン』生誕100周年記念で製作された超大作だが
フランス映画祭のクロージング作品にしては、あまりにも
ハリウッドすぎる。
1本の映画としてみれば、そこそこ楽しめるのだが、鑑賞後の
後味を味わえる芸術性の高いフランス映画を期待していたので
やや興醒め。しかし、宝石の提供はカルティエ。石を見るため
だけに見る価値は十分ある。
エトルタの対岸には行ったことがあるが、奇岩を除けば全く
同じ風景。イギリスとフランスは太古の昔は地続きだったのだ。
南仏もいいけれど、ノルマンディー地方もいいなぁ。