2005年06月20日

フランス映画祭横浜 『ルパン』

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『ルパン』 Arsène Lupin
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:ロマン・デュリス、クリスティン・スコット=トーマス、
エヴァ・グリーン

****あらすじ****

アルセーヌ・ルパン(ロマン・デュリス)、1874年生まれ。
父はボクシングのトレーナーで盗人。強盗の罪に問われた父は
逃亡した。父に頼まれたアルセーヌは世話になっている館の家宝
マリー・アントワネットの首飾りを盗み、父に渡した。
ところが、翌朝。父はむごい死に方で発見された。館を追われた
アルセーヌと母。友達のクラリス(エヴァ・グリーン)とも別れ
エトルタの地を去った。

上流階級の貴金属を狙うスリになった青年アルセーヌは幼友達の
クラリスと偶然再会し、再び館に住むことに。だが、二人の関係は
アルセーヌの雇い主でもある彼女の父には内緒だ。

ある晩、クラリスの父が秘密結社の会合に参加しているのを見て
しまった。裁判で裁かれたカリオストロ伯爵夫人ジョゼフィーヌを
助けたアルセーヌ。彼女に盗人になる手ほどきを受ける。
教会と癒着する、王制派の秘密結社は王家の財宝の在り処を
探していた。3つの十字架に隠されたメッセージにヒントがある。
この十字架を巡り、ルパン、ジョゼフィーヌ、秘密結社が対立する。
秘密結社の謎の男、ボーマニヤンがアルセーヌの父を殺したのは
ジョゼフィーヌで、彼女は魔女、必ず裏切ると忠告する。永遠の
美を保ち続けるジョゼフィーヌ。彼女は魔女なのか、敵なのか。
ジョゼフィーヌの金庫にマリー・アントワネットの首飾りが。
幼いアルセーヌが父のために盗み出した首飾りだ。なぜ、彼女が?
3つの十字架を揃え、宝の在り処を読み解いたアルセーヌは故郷
エトルタの奇岩にいた。そこにはボーマニヤンも。彼は何者だ。
アルセーヌの父なのか。

身ごもったクラリス。しかし、生まれた息子をジョゼフィーヌに
さらわれ、クラリスを殺されてしまう。それから十数年後。
アルセーヌはジョゼフィーヌを見かけた。一緒にいる青年は…。

************

音響効果や特殊効果が満載で、大金を投じて作った娯楽作品。
『アルセーヌ・ルパン』生誕100周年記念で製作された超大作だが
フランス映画祭のクロージング作品にしては、あまりにも
ハリウッドすぎる。

1本の映画としてみれば、そこそこ楽しめるのだが、鑑賞後の
後味を味わえる芸術性の高いフランス映画を期待していたので
やや興醒め。しかし、宝石の提供はカルティエ。石を見るため
だけに見る価値は十分ある。

エトルタの対岸には行ったことがあるが、奇岩を除けば全く
同じ風景。イギリスとフランスは太古の昔は地続きだったのだ。
南仏もいいけれど、ノルマンディー地方もいいなぁ。

ルパン コレクターズ・エディション (初回限定生産)
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フランス映画祭横浜 『35歳とサムシング』

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『35歳とサムシング』 Tout pour plaire
監督:セシル・テレルマン
出演:アンヌ・パリロー、ジュディット・ゴドレーシュ、マチルド・セニエ

****あらすじ****

フローランス(アンヌ・パリロー)、ジュリエット(マチルド・セニエ)、
マリー(ジュディット・ゴドレーシュ)の3人は子供の頃から何でも
話せる仲間。買い物もエステもランチも一緒だ。

フローランスは広告代理店勤務。仕事は順調、上司がムカつく。
昔の恋人に再会し、気になりだした。かわいい一人息子がいるが
会社社長の夫は仕事で忙しく、構ってもらえない。自己中心的な男
だと思ってはいたが、浮気をしているようだ。ついに我慢の限界に。
会社を辞め、息子と一緒に家を出た彼女。

ジュリエットは弁護士。クライアントからの入金が遅れ、破産寸前。
恋人と一緒に大きなアパルトマンに引っ越すはずが、別れてしまう。
財務状況は更に危機に。ファイナンシャル・アドバイザーには
無駄遣いを控えるようにと言われるが、ストレス発散の買い物は
やめられない。美人でスタイルも頭もいいのに、理想の男性は
どこにいるのだろう。毎日メトロには大勢の男性が乗っているのに。
ファイナンシャル・アドバイザーの男性は平凡で嫌味なヤツだと
毛嫌いしていたが、でも、ちょっといい男かも。バツイチだ。

マリーは公立病院の医師で、子供が2人。3人目ができた。しかし
売れない画家の夫の稼ぎがないため、これ以上子供は作れない。
夫を愛しながらも苛立ちを抑えれらない。パーティーで出会った
映画監督に少し惹かれている。夫が変ってくれなければ家を出よう。

一見、幸せで何不自由なく暮らしていると思われる3人だが
それぞれに悩みの種は尽きない。子持ちの35プラス年齢の女性が
新たな恋人と人生の再出発をするには、勇気がいる。30台後半に
差し掛かったの妙齢の女性の本音を浮き彫りにした作品。

************

女性なら、「そう、そう!」と相槌を打ちたくなる台詞が満載で
過激さを取り除いた、SATCのフランス版といった感じ。
30歳台の女性の心境は複雑で思春期以上に微妙な年頃なのだ。
そんな悩みを話せる、気の置けない女友達はとても大切。

ところで、フローランス役のアンヌ・パリローの容姿も声も役柄も
YOUに似ていた。フェアチャイルドのYOUがニキータだったとは!
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フランス映画祭横浜 『マリスコス・ビーチ』

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『マリスコス・ビーチ』 Crustacés et coquillages
監督:オリヴィエ・デュカステル、ジャック・マルティーノ
出演:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ジルベール・メルキ、
ジャン=マルク・バール、ジェック・ボナフェ

****あらすじ****

祖母から遺産相続した南仏の別荘に来たマルク(ジルベール・
メルキ)と妻のベアトリス(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)。
彼が思春期にバカンスを過ごした思い出の地でもある。
彼氏とバイクで旅に出る娘にヤキモキし、男友達のマルタンを
招待した息子シャーリーがゲイではないかと心配するマルク。
一方、オランダ人を母親にもつ自由奔放なベアトリスは娘を応援し
息子を暖かい目で受け入れる。「あの二人、かわいいカップルだわ」
マルタンはゲイだが、シャーリーは違う、と思う。模索中。

ベアトリスの愛人マチュー(ジャック・ボナフェ)が彼女を追って
やって来てしまった。夫の目を盗み、密会を重ねる二人。
シャーリーを好きなマルタンは欲求が抑えられなくなり、気を
紛らわせるためにゲイのデートスポットへと足を運ぶ。彼を追って
きたシャーリーはディディエ(ジャン=マルク・バール)という
配管工に出会う。マルクを知っていたディディエはシャーリーとは
未遂に終わる。彼に何も感じなかったシャーリー。ゲイじゃないぞ。

マルクはディディエの初恋の人だった。シャーリーではなく父の
マルクがゲイ? ディディエとの20年ぶりの再会で本当の自分を
再発見してしまったマルク。一方、愛人との密会現場を息子に
見られたベアトリス。お互い、正直に話して開き直るしかない。

そして、翌年のバカンス。
マルクとディディエ、ベアトリスとマチュー、シャーリーと彼女、
マルタンと彼氏、娘と彼氏のカップルが南仏で熱い夏を過ごす。

************

え?そんなの、あり?と思ってしまう、いかにもフランス映画
らしい展開の作品だった。愛し合う夫婦とそれぞれの愛人が皆で
仲良くバカンスを過ごす。南仏の気候がそうさせているのだろうか。

見終わった後に、なぜかポジティブな気分になった。
作品中の台詞、「終わりよければ、すべてよし」が効いていた。
シャーリー役のロマン・トレが美しすぎる。目の保養になった。

毎年、夏は南仏に2〜3週間滞在するのだが、今年は都合が悪く
行かれない。この映画を見て、南仏の海が恋しくなった。


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フランス映画祭横浜 『明るい瞳』

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『明るい瞳』 Les yeux claires
監督:ジョローム・ボネール
出演:ナタリー・ブトゥフ、マルク・シティ、ジュディット・レミ、
ラース・ルドルフ

****あらすじ****

ファニー(ナタリー・ブトゥフ)はちょっと変わっている。精神分裂症で
時々頭の中で声が聞こえるけれど、神経がほんの少し繊細なだけ。
ピアノも弾くし、車も運転する。英語も堪能だ。
でも、そんなファニーを受け入れてくれる人は兄のガブリエル
(マルク・シティ)しかいない。両親は幼い頃に亡くなったので
兄夫婦がファニーの面倒をみている。
ファニーは兄の妻(ジュディット・レミ)が浮気をしている現場を
見てしまった。居心地が悪くなったファニーは家を飛び出し、
両親の墓があるドイツのショーンベルグへ車を走らせる。

森の中の道でタイヤがパンクして立ち往生をしていると、近くに
住む木こりの青年オスカー(ラース・ルドルフ)が助けてくれた。
彼はフランス語も英語も話せない。身振り手振りで説明し、彼に
墓地の場所を案内してもらった。言葉は通じない二人なのだが
コミュニケーションはうまく取れている。互いに惹かれあう二人。
言葉などなくても、意思の疎通はできるのだ。ほんわかとした
穏やかな雰囲気をかもし出す二人。彼は他の人たちとは違い
彼女を変人扱いしない。実際、さほど変には見えないのだ。
森の中で愛を交わした二人。ファニーの目には涙が。そして再び
ファニーは車を走らせる。

************


言葉が通じても気持ちは理解できず、言葉が理解できなくても
気持ちは通じる。お互いを理解しようという思いがあってこそ
コミュニケーションが成り立つのだなと人を受け入れることの
大切さを再確認した。「普通」の定義とは何だろう。

ファニーが見せた波だが印象的。愛する人に出会えた喜びと
変わってしまった自分への悲しみ、さまざまな感情が涙となって
あふれ出たのだろう。


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2005年06月19日

フランス映画祭横浜 『ロシアン・ドールズ』

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『ロシアン・ドールズ』Les Poupées Russes
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ロマン・デュリス、セシル・ドゥ・フランス、オドレイ・トトゥ、
ケリー・ライリー

****あらすじ****

留学先のバルセロナから帰国後、5年。ザビエ(ロマン・デュリス)
30歳、独身。留学を終えた後に書き上げた本は、まだ出版社に
持ち込んでいない。小説家志望なのだが、現実は厳しい。
ゴーストライターや新聞・雑誌の記事執筆、メロドラマの脚本で
生計を立てている。ああ、本を書きたい。
当時の恋人マルティンヌ(オドレイ・トトゥ)とは今ではいい友達だ。
未だに理想の女性とは出会えず、ひとりの女性との関係を長く保つ
ことができない。そんなザビエを知らない祖父は早くフィアンセを
紹介しろと急かす。

パリに住むイザベルは証券アナリストになっていた。相変わらず
威勢がいいイザベルの家で同居を始めたザビエ。
テレビ局が買収にあい、英語での脚本を書くことに。共同執筆者は
バルセロナでの仲間、ウェンディ(ケリー・ライリー)だ。
ユーロスターでロンドンとパリを行き来するうちにウェンディとの
仲が深まった。が、浮気なザビエは自伝を出したいという若いモデル
セリアとの関係も楽しみたい。二人の間をうまく渡り歩くつもりだ。

ウェンディの弟、ウィリアムがロシア人のバレリーナと結婚する
ことになった。一目ぼれをしたウィリアムはロシア語を勉強して
サント・ペテルスブルクに居を構えるのだ。あの、自分勝手で
オレ様だったウィリアムが愛する女性のために自分を変えるとは!
ロシアを訪れていたセリアと合うために嘘をついてモスクワに発つ
ザビエル。ウェンディにはお見通しだ。彼女を傷つけてしまった。
彼の結婚式に集まったバルセロナの仲間たち。久しぶりの再会だ。
ウェンディとも仲直りをし、彼女の住むロンドンに住まいを移し
執筆活動を始めたザビエル。ウェンディこそが、彼の求める理想の
女性なのか。

************


『スパニッシュ・アパートメント』の続編ということで大いに
期待をして見た。仲間は成長し、変わっていくのに、ザビエは
昔とさほど変わらない。相変わらず、女タラシで優柔不断で。
そんな彼でも愛しているという女性がいるのだから、しっかり
応えてあげなさいよぉ!

できれば、再会した仲間たち全員の近況を描いてほしかった。
カメオ的な出演だったのが残念だ。主な登場人物だけに焦点を
当てた方がすっきり仕上がるのだが、どうせ『ごちゃ混ぜ』の
続編なのだから、一瞬のコラージュでいいから見たかった。




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フランス映画祭横浜 『レミング』

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『レミング』Lemming
監督:ドミニク・モル
出演:ローラン・リュカ、シャルロット・ゲンズブール、
アラン・デュソリエ、シャーロット・ランプリング

****あらすじ****

アラン(ローラン・リュカ)は有能なエンジニア。引き抜きで移った
会社の社長リシャール(アラン・デュソリエ)にも気に入られ、
期待されている。妻のベネディクト(シャルロット・ゲンズブール)
との間にはまだ子供がいないが、幸せで模範的な夫婦だ。
社長夫妻を夕食に招いたが、二人はどうみても崩壊寸前の様子。
夫の浮気癖にキレた妻のアリス(シャーロット・ランプリング)は
無礼極まりない。

この日の夕方、キッチンの排水溝が詰まった。
排水管を外すと、詰まりの原因はタビネズミ(レミング)だった。
生存数をコントロールするために、ある一定の時期に同じ場所で
集団自殺を図る小動物。生息地は北欧。なぜフランスに?

この日を境に、アランとベネディクトの夫婦関係が崩れていく。
アランが壊れたプレゼン用のデモ機が残業して修理していると、
アリスが夫を捜しに現れ、アランを誘惑する。理性で拒んだアラン。
なぜアリスが夫と別れないのかと訊ねると、彼女は夫がくたばるのを
見たいからだという。意味深な言葉だ。
翌日、アランの家にアリスが。前夜にアランを誘惑したことを
わざわざ報告しに来た。ベネディクトのもてなしを断り、客間で眠り
錯乱した末に銃で自殺してしまったアリス。死に際のアリスの目を
じっとみつめるベネディクト。アリスの目は何かを訴えていた。
翌日からベネディクトの様子がおかしい。アリスが乗り移ったかの
ように、感情の起伏が激しい。妻の異変を心配して、出張先から
車で駆けつけたアラン。自宅の台所で大量発生したタビネズミに
襲れる悪夢を見た。居眠り運転。怪我を負った。
ベネディクトは朝帰りを繰り返すようになった。リシャールの愛人に
なっていたのだ。なぜ妻が?

ある晩、うたた寝から目覚めたアランの目の前にベネディクトが。
いや、アリスだ。彼女は家の鍵を渡し、リシャールを自殺に装って
殺せば、元のベネディクトに戻すといい、姿を消す。アランが
リシャール宅の寝室に入ると、ベッドの隣にはベネディクトが
裸で横たわっていた。鋭い視線の彼女はアリスなのか。
リシャールを殺した翌朝。ベネディクトは自分がアリスになった
夢を見たという。あれはアリスの幽霊だったのか。

************


シャーロット・ランプリングの視線が恐ろしい。
いつもは上品でエレガントなマダム役が多いが、今回は怖かった。

伏線のせいで、物語が進むにつれ、あらぬ不安を抱きながら
余計な心配をしながら見ていた。ドミニク・モル監督は観客の
感情を操ることに長けている。

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2005年06月18日

フランス映画祭横浜 『真夜中のピアニスト』

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『真夜中のピアニスト』 De battre mon coeur s'est arrêté
監督:ジャック・オーディアール
出演:ロマン・デュリス、オーレ・アティカ、エマニュエル・ドゥヴォス、ジル・コーエン、リン・ダン・ファン

****あらすじ****

父親の跡を継ぎ、不動産のブローカーとして働くトム(ロマン・
デュリス)は28歳。手荒な立ち退き要請や、家賃の集金に手荒な
手法を使う。悪徳な商法や、同僚(ジル・コーエン)の浮気の
アリバイ作りに協力する毎日に嫌気がさしていた。
今は亡きピアニストの母の影響で幼い頃からピアノを習っていたが
いつしか、過去のものとなっていた。

仕事の帰り道、母のマネージャーをしていた男性を偶然見つけた。
彼はトムのピアノの才能を買っていた。オーディションを受けては
と勧められ、ピアノへの情熱が再び湧き上がる。しかし、長年の
ブランクのため、指が思うように動かない。先生に付かなくては。
ひょんなきっかけで、中国人のピアニスト、ミャオ・リン(リン・
ダン・ファン)を紹介された。渡仏したばかりの彼女はフランス語が
話せない。身振り手振りでのレッスンを重ねるうち、意思の疎通が
できるようになった二人の間に穏やかな空気が流れる。
トムのピアノも昔の勘を取り戻し、どんどん上達していった。
過酷な仕事と、レッスンを続ける毎日。同僚は理解してくれない。
ピアノは趣味に留めておけと。でも、浮気をするよりピアノの方が
いいじゃないか。そんなトムも浮気工作を手助けする同僚の妻と
情事を重ねるように。

ある日、父がうまい儲け話に乗せられて大金を失ったと聞く。
何としても回収したい父は執拗に迫るが、相手はやり手のロシア人。
危険な相手だ。身を引くようにアドバイスしたが、その甲斐なく
父は殺されてしまった。

運命のかかった大事なオーディションの前夜に仕事に借り出され
イライラが募るトム。リラックスしなくてはいけないのに、最悪だ。
オーディション当日。あまりの緊張と前夜の仕事のストレスで指が
固まってしまった。練習ではうまく弾けたのに。大失敗。終わった。

そして、2年後。
コンサートピアニストになったミャオ・リンのパートナーのトム。
彼女をコンサート会場に送り、駐車場所を探している時に、奴の姿を
見てしまった。父を殺したロシア人だ。怒りを抑えきれないトムは
父への復讐を遂げた。血だらけになって客席に座るトム。
そんな彼にステージ上から暖かい視線を送るミャオ・リン。

************

『マッド・フィンガーズ』のリメイクらしいが、オリジナル版を
見ていないので・・・。

父と息子、息子の母への想い、ヤクザな仕事とピアノの日々。
エレクトロ系のノリのいい音楽とクラッシック。
母のようなピアノの先生と、浮気相手の女性。相対するものの混在。
フィルム・ノワールとピュアなピアノ楽曲の対比が面白い。

ロマン・デュリスは役によってまったく違う雰囲気をかもし出せる
数少ない俳優だ。母を想う少年のようなナイーブな雰囲気と
悪党とが混在するこの役柄を演じるのは難しかっただろう。
時折見せる子供っぽい笑顔が素敵だった。
あ〜、ゲストで来日してほしかった。

真夜中のピアニスト DTSスペシャル・エディション




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フランス映画祭横浜 『描くべきか、愛を交わすべきか』

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『描くべきか、愛を交わすべきか』Peindre ou faire l'amour
監督:アルノー・ラリユー、ジャン=マリー・ラリユー
出演:ダニエル・オートゥイユ、サビーヌ・アゼマ、セルジ・ロペス、
アミラ・カサール

****あらすじ****

マドレーヌ(サビーヌ・アゼマ)が山を望む草原で趣味の油絵を
楽しんでいる時に、盲目の男性アダム(セルジ・ロペス)に出会う。
アダムに案内された古い売家を案内され、ひと目で気に入った。
サビーヌの夫ウィリアム(ダニエル・オートゥイユ)は天気予報士を
退職したばかり。一人娘も家を出た。引越すのにはいい機会だ。
美しい風景に恵まれた家をすっかり気に入った二人は購入を決意。
アダムと彼の妻エヴァ(アミラ・カサール)を食事に招待する。
盲目だが、教養あふれる男性のアダム。エヴァは障害者を献身的に
支えるといった感じではない。互いに愛し合うカップルだ。

アダムとエヴァの家が火事に遭ったのを期に、二組のカップルの
同居生活が始まった。それぞれのパートナーに惹かれる4人。
アダムのけしかけがきっかけで、愛を交わす相手が入れ替わり
4人の男女が深い仲に。

アダムとエヴァが太平洋の島に住居を移すと聞き、マドレーヌと
ウィリアムも暖かい南の島へ移住するため、家を売ることに。
家を下見に来た若いカップルと意気投合し、夕食をふるまった。
4人の間に流れる空気が徐々に変わっていく。
そして、マドレーヌがけしかけた。互いのパートナーと愛を交わす。
そんな生活が気に入ったマドレーヌとアダムは家を売りに出すのを
やめた。南の島へ行かなくても、山の麓にある家で季節の移ろいと
夕日と愛を楽しむことができるじゃないか。

************

絵を描くために引っ越した家なのに、愛という芸術活動に勤しむ。
家の持つ雰囲気がそうさせているのかも。

いわゆるスイッチングについて、夫婦のモラルは?などと問うのは
愚問なのだろう。お互いを信頼しているからこそできる行為なのか?
あまりにもフリーな観念に共感はできないけれど、きっと70年代に
青春時代を過ごした彼らには理解できることなのかもしれない。

ユニークで斬新で、少し不可解。
フランス映画祭ならではのセレクションだと思う。

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フランス映画祭横浜 『髭を剃る男』

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『髭を剃る男』La moustache
監督:エマニュエル・カレール
出演:ヴァンサン・ランドン、エマニュエル・ドゥヴォス、
マチュー・アマルリック

****あらすじ****

マルク(ヴァンサン・ランドン)はある日、トレードマークだった
口髭を剃ってみた。さあ、みんなはどんな反応をするだろうか。
妻のアニエス(エマニュエル・ドヴォス)は気づく様子がない。
友達も同僚も、誰一人として彼が口髭をたくわえていたことすら
覚えていないのだ。むしろ、マルクの内面がどこか変わったと
彼の精神状態を心配し、妻にはカウンセリング受診を即される。
自分がおかしくなってしまったのか?不安に思ったマルクは
念のため、昔の写真を確認してみた。やはり、口髭がある。
異常ををきたしているのは妻ではないか。妻は記憶障害だ。
しかし、誰も妻の異常を疑うものはいない。
このままでは、強制入院されられる。マルクは空港へ急いだ。

マルクが降り立ったのは香港。一泊だけして帰国するつもりが
帰国便に乗り込む直前に考えが変わった。
漁師に頼み、漁船に同乗させてもらう。着いた先は小さな漁港。
古びたコロニアル調の安ホテルを宿にし、パリから遠く離れた
まるで別世界での日常を過ごすマルク。

彼の口髭が再び生えそろってきた頃、妻がやってきた。
しばらく一緒にバカンスを楽しみ、帰国前夜。
アニエスは、口髭のないマルクを見たことがないという。
口髭を剃ったマルクにアニエスは気づいてくれた。
よかった。今度は気づいてくれた。
安心して眠りにつくマルク。目を覚ますと・・・。

************

身近な人ほど、ささいな変化に気付かないことはよくあるが
時として、嘘が真実で、真実が嘘になりえるのだろうか。
先入観を取り除き、ことの正当性を立証するのは難しい。
不思議な感覚に引き込まれた作品だった。





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2005年06月17日

フランス映画祭横浜 『斧』

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『斧』 Les Couperet
監督:コンスタンタン・コスタ=ガヴラス
出演:ジョゼ・ガルシア、カリン・ヴィアール、オリヴィエ・グルメ

****あらすじ****

製紙会社の管理職を長年務めたブルーノ(ジョセ・ガルシア)は
会社合併の煽りを受けて、リストラの対象に。
退職しても、引く手あまただろうと楽観ししていたのだが
2年以上経っても再就職先が決まらない。なぜ?
そこで、名案を思いついてしまった。
自分と同じ状況にある有能なライバルたちを消せば、自分が職を
得られるはずだと。
自ら架空会社を作り、求人募集の広告を出すブルーノ。
寄せられた履歴書の中から優秀な人材を次々と抹殺していく。
あとは、彼が以前働いていたポストに就いている担当者を消せば
会社からブルーノに声がかかるはず。

そんな中、ブルーノの息子が窃盗の罪で警察沙汰に。
証拠隠滅をして、なんとか実刑は免れたものの、心の中では
警察がいつ自分に殺人容疑をかけてくるかと不安が付きまとう。
失職中の夫を支える妻(カリン・ヴィアール)は、夫の様子が
おかしいと勘繰るが、何も話してもらえず、心配が募る。

そして、とうとう計画をまっとうしたブルーノは願い叶って
復職するのだが、彼のポストを狙う人物が・・・。

************

ブルーノの考えがあまりに短絡的なのに、シリアスなサスペンスに
仕上がっているのは、巨匠の成せる業か。
ブルーノ役のジョゼ・ガルシアは表情が豊かで、コメディー俳優の
雰囲気がちらりと伺える。昨年のフランス映画祭横浜でも
『お先にどうぞ』で、失業中の役を演じていたなぁ。

日本と同様、フランスでもリストラの波にのまれていく人が
多いのだろう。
EU憲章にNONと答えを出した理由のひとつは失業の危機。
これから更に深刻化していくのかもしれない。

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フランス映画祭横浜 オープニング・セレモニー

今年のオープニングは例年とはちょっと違った感じでした。

今回の映画祭の団長、コスタ=ガヴラス監督作品の
オマージュや、映画の元祖、リュミエール兄弟の
世界で最初の映画を含めた初期の映画を見ることができ、
盛り沢山な内容でした。

そして、スペシャル・ゲストにはオダギリジョーさん。
司会のフローラン・ダバディー氏との短いトークショーが。
joeflorance.JPG



今年もゲストが勢ぞろい。
ただ、例年に比べて、俳優陣が少ないような気が・・・。

fff opening.JPG




前列の赤い帽子がオダギリジョーさん。

fff opening zoom.JPG


今年から横浜市が始めるシネマテークの一環として
過去にフランス映画祭で上映された作品のうち
本邦劇場公開されていない作品も市内の劇場で
上映されるとのこと。
もう一度見たいと思っていた作品が沢山あるので
期待したい。
posted by zooom at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス映画祭横浜2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月16日

フランス映画祭横浜 『モン・アンジュ』

雨の中、桜木町のパシィコ横浜へ。
あまりの強風で、傘の骨が折れました。

monange.jpg

『モン・アンジュ』 Mon ange
監督:セルジュ・フリードマン
出演:ヴァネッサ・パラディ、ヴァンサン・ロティエ

****あらすじ****

娼婦のコレット(ヴァネッサ・パラディ)のもとに、見知らぬ女性から
電話が。出所を翌日に控えた娼婦からだった。隠れて貯めた大金の
隠し場所とその鍵の存在をボスに知られ、身の危険を感じた彼女は
コレットにある頼みごとをした。
孤児院にいる息子、ビリー(ヴァンサン・ロティエ)を彼女の代理で
引き取り、駅まで連れて来てほしいとのこと。一度は断ったものの
逃亡の手助けをすることに。ところが、約束の場所にビリーの母親は
現れない。死んでしまったのだ。
コレットはボーイフレンドと結婚するため、既成事実を作ろうと
子供作りに協力してくれる客を探すのに忙しい。
早くしないと、リミットが・・・。
他人の子供になど構っている時間はないのだ。
けれど、コレットは身寄りのないビリーを突き放せなず
つい面倒を見てしまう。
金目当ての追っ手から逃げるうちに、保護者と子供の関係が徐々に
変化していく。お互いを気づかい、世話し合うようになる二人。

************

景色がきれいな映画でした。コレットが描く理想の海辺の家は
お花畑に囲まれたまさにユートピア。
そこに住む「私の天使」とは、コレットであり、ビリーであり
おそらくコレットに宿る子供のことなのかもしれない。

『クロエの棲む夢』にも出演していたヴァンサン・ロティエ君
大きく成長しました。
ティーンエイジャー独特の難しい年頃をうまく表現していたと
思います。ヴァネッサ・パラディは相変わらずコケティッシュで
可愛らしいけれど、彼女も年を取りましたね。
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2005年06月14日

明日からフランス映画祭横浜

15日から5日間、パシフィコ横浜で行われる
フランス映画祭横浜2005に通います。
前売りもたくさん買ったけど、一緒に見に行く友達が
招待券をチケプレで大量に当ててくれました。
後半は1日4本連続で見ることになりそう。
とりあえず、初日は『モン・アンジュ』の1本のみ。
ヴァネッサ・パラディがゲストで来日してくれないのが
残念です。


posted by zooom at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス映画祭横浜2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする