2007年12月07日

『ヴィーナス』

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『ヴィーナス』
Venus
監督:ロジャー・ミッシェル
出演:ピーター・オトゥール、レスリー・フィリップス
ジョディ・ウィティカー、ブロンソン・ウェッブ
リチャード・グリフィス、ヴァネッサ・レッドグレーヴ

公式サイト:http://www.venus-cinema.com

****あらすじ****

70代のモーリス(ピーター・オトゥール)。若い頃はハンサムで
有名な俳優だった。今も俳優をしているが。演じるのは、ご臨終を
迎える老人のシーンばかり。

お決まりのカフェで。朝に夕に、旧友の俳優仲間イアン(レスリー・
フィリップス)、ドナルド(リチャード・グリフィス)と顔を合わせ
朝刊の訃報欄を見て、自分の時はどんな記事が書かれるのか
仲間同士で茶化し合う。午後にはお茶やウィスキーを飲み、互いの
病気自慢をしたり。有名俳優だった黄金時代とは打って変わって。
3人ともすっかり老いぼれてしまった。

高血圧を患い、世話人が必要なイアン(レスリー・フィリップス)の
所に、姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィティカー)が滞在することに
なった。ピンクのシーツやピンクのバスタオルなどを買い揃え
ジェシーが来るのを楽しみにするイアン。美味しい魚料理を作って
もらおう。具合が悪くなった時には、ベッド脇のベルを鳴らせば
ジェシーが様子を見にきてくれる。突然の若い娘の来訪に期待が。

やってきたのは、今時の若い女の子。料理など、できるわけがない。
イアンの血圧は反って上がってしまいそうだ。淡い期待はどこへ
やら。イアンにとって、ジェシーのいる生活は不快極まりない。

芝居を見に行くために、イアンの迎えにやって来たモーリス。
ジェシーに興味深々。飾り気がなく、無愛想なジェシーだが。
若さへの憧れだろうか。一瞬で、ジェシーの虜になってしまった。
何とかして、ジェシーの関心を引こうとするモーリス。

ジェシーに疲れ果てたイアンは、着替える途中で眠ってしまった。
モーリスはジェシーを誘い、劇場へ。気乗りしないジェシー。
やはり、お粗末な芝居だった。幕間に劇場を出て、パブへ。
今までは、ほんの少し水をいれたウィスキーを好んで飲んでいた
モーリス。バカルディブリーザーの味を初めて知った。美味しい。
飲み過ぎたジェシーをタクシーで送るモーリス。

テレビドラマの端役を演じたモーリス。出演料を現金払いにして
もらい、休憩所でのケーキを包んでもらう。現金とケーキを持って
別れて暮らす妻ヴァレリー(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)の家へ。
6歳に満たない3人の子供がいるヴァレリーを置いて、他の女性の
元へ逃げたモーリス。年老いた今、ヴァレリーには、返しても返し
きれない恩がある。若い頃は、女好きだった。

モーリスがイアンのアパートを訪れると。ジェシーが独りで家に。
ロンドンで職を探しているというモデル志望のジェシーに、仕事を
見つけてきたモーリス。モデルとはいうものの。美術教室のヌード
モデルの仕事。モーリスがいると服を脱がないというジェシー。
敢え無く教室を追い出されてしまったモーリスだが。見たい。
何とかして、隙間から教室の様子をのぞき見ることができた瞬間。
勢い余って、教室に突っ込んでしまった。大失態。

男性にとって、一番美しいものは、女性の裸だというモーリス。
何も恥じることはない。ジェシーとナショナル・ギャラリーへ。
「鏡のヴィーナス」を見せる。女性にとって、一番美しいものは。
生まれてきたばかりの、自分の赤ん坊。モーリスがそう言った瞬間
ジェシーの表情が曇った。

何とかしてジェシーに触れたいモーリス。初めは無関心を装って
いたジェシーだが。モーリスと一緒にいるのが楽しくなってきた。
でも、絶対に触っちゃダメ。気持ち悪いから、触らないで!と。

前立腺の手術を受けることになったモーリス。イアンがジェシーを
追い出すと聞き、居ても立ってもいられない。手術直後の絶対安静
な状態なのに。ジェシーに会うため、病院を抜け出してしまった。

************

キャッチコピーは、「男って、いくつになっても・・・」

老いてなお。若い娘に、下心。ただし、嫌らしさと嫌味がない。
ピーター・オトゥール演じるモーリスは、茶目っ気がある。
やっていることは、思春期の男子と大差ないのだが。
手に入れることはできない若さへの憧れ。ジェシーの手に初めて
触れた際の、崇めるようなしぐさが印象的だった。
老人の恋というよりは、愛。愛というよりも、憧れ。

ハニフ・クレイシの脚本は、いつも普通の人の生活が普通の人の
目線で描かれている。きらびやかさや派手さはなく、ゴージャスな
俳優の生活とは別世界の、栄華を極めたその後の人々の暮らし。
ジェシー役に、普通の若い女の子ジョディ・ウィティカーを抜擢し
嘘っぽさがない作品。初めに見た時は、???と思ったが。段々と
可愛く見えてくる。

病院からの迎えが来る前に、モーリスがジェシーと出かけた所は
生まれ育った海辺の町の、浜辺。対岸にフランス大陸が見える。
好きな場所で思いを寄せる若い女性の肩に身を寄せ、迎える最期。
モーリスには本望だっただろう。


posted by zooom at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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