2014年07月13日

「グランド・ブダペスト・ホテル」

thegrandbudapesthotel.jpg

The Grand Budapest Hotel
監督:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハム
ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー
エドワード・ノートン、マチュー・アマルリック、ジュード・ロウ
トム・ウィルキンソン、シアーシャ・ローナン、トニー・レヴォロリ

公式サイト:http://www.foxmovies.jp/gbh

****あらすじ****

1冊の本を携えた若い女性が旧ズブロフカ共和国の国民的大作家の
墓石に鍵をかけ、近くのベンチに座って本を読み始めた。表紙には
「グランド・ブダペスト・ホテル」裏表紙には著者の写真が。

1985年。作家(トム・ウィルキンソン)は「グランド・ブダペスト・
ホテル」を書くに至った経緯を語り始めた。まだ若き日のことだ。

1968年。執筆に行き詰った作家(ジュード・ロウ)は気分転換の
ため、旧ズブロフスカ共和国にある、かつてはヨーロッパ最高峰の
ホテルと言われたグランド・ブダペスト・ホテルで8月の1ヶ月を
過ごした。色褪せて寂れたホテルはかつての栄華を留めていない。
わずかな宿泊客は皆、おひとり様。

そこにはゼロ・ムスタファ(F・マーレイ・エイブラハム)の姿も。
かつてズブロフカで一番金持ちだった、ホテルの所有者だ。
財政難で、ほとんどのホテルが国有化される中、ホテルを手放さず
維持し続けている。コンシェルジュによると、たまにホテルを訪れ
風呂なしの小さな使用人部屋に1週間ほど滞在するのだとか。
貧しい移民の身からホテルを所有するほどの大富豪になったのは
なぜか。なぜ、ホテルを買ったのか。オーナーなのに使用人部屋に
泊まるのはなぜか。作家はムスタファに興味津々。

個別のバスタブが置かれたホテルの大浴場で、作家はムスタファに
声をかけられた。ぶしつけな質問をすると、食事に誘われる。

食事の席でムスタファは話し始める。
「私の前任者であり、グランド・ブダペスト・ホテルの愛すべき
最初のコンシェルジュについて話をしなければならない」

1932年。エレガントな宿泊客で賑わうグランド・ブダペスト・ホテル
の名コンシェルジュグスタウ・H(レイフ・ファインズ)はホテルの
従業員を指示し、宿泊客にとっての心地よさを追求した究極の
おもてなしをモットーに、マダム達の夜のお相手もしていた。
多くの常連客はグスタヴ目当てだった。

マダムD(ティルダ・スウィントン)も、そんな常連客のひとり。
「離れたくない、これが最後かもしれないから。私と一緒に来て」
グスタヴはマダムDを慰め、車に乗せた。

新しくロビーボーイとして働き始めたゼロ(トニー・レヴォロリ)は
ホテルマンとしての経験はほぼゼロだったが、志望理由を聞かれ
「グランド・ブダペスト・ホテルで働くのは憧れです」と答えたので
グスタヴに気に入られた。そして、グスタヴの厳格な指導のもと
ゼロの見習い生活が始まった。彼はゼロの相談者で指導者だった。
週6日と半日、朝5時から真夜中まで働いた。

ホテルの所有者は誰も知らなかったが、帳簿などのチェックのため
代理人のコバックスを送り込み、グスタヴらと相談していた。

日課の新聞調達で新聞の一面を目にしたゼロは驚き、大急いで
グスタヴに見せた。紙面には「戦争か。戦車が国境を越えた」の下に
「マダムDが浴室で死亡」の記事が載せられていた。

グスタヴはゼロを伴って汽車でマダムDのもとへ向かう。汽車は
雪が積もった麦畑で停まった。ルッツの警護団が汽車に乗り込み
乗客の身分証明書などを確認している。ゼロは移民だったため
身分証を持っていなかった。兵士がゼロを連れて行こうとするが
そこに現れた上官(エドワード・ノートン)がホテルの常連客の息子で
ゼロに臨時の身分証明書を発行してくれた。

ルッツに到着し、マダムDの亡骸をひと目見たグスタヴ。
遺族の集う部屋にはマダムDの資産管財人も務めるコバックスが
遺言書の山を見せていた。最新の遺言書として、グスタヴに名画
「少年とリンゴ」の絵を贈ることを読み上げたので、さあ大変。
息子のドミトリー(エイドリアン・ブロディ)は、激怒。親族は
「グスタヴとは誰だ」と騒ぐので、名乗り出た。

グスタヴはゼロの絵を見たいとの一言で、「少年とリンゴ」を奪う。
マダムDの執事のセルジュ・X(マチュー・アマルリック)は絵の
梱包を依頼されると、「機密」と書かれた封筒を紛れ込ませたが
急いで屋敷を後にするグスタヴとゼロは封筒に気づかない。

帰りの寝台車の中。グスタヴはゼロに「絵画を取り返される前に
闇市で売ってしまおう。売値の1.5%で協力してくれ」と申し出る。
ゼロが合意すると、契約内容をメモさせた。

翌日、ホテルに戻り絵画を金庫に隠していると従業員が呼びに来た。
警察が来ている。二人は何もしゃべらないことを申し合わせた。
ロビーではヘンケルスが待ち受けていた。グスタヴがやって来ると
マダムD殺害の逮捕状を読み上げ始める。マダムDを殺したのは実は
息子のドミトリーなのだが、グスタヴを殺人容疑で告発したのだ。
グスタヴはとっさに逃げ出した。

逃げるグスタヴ。追うヘンケル。絵画を取り返したいドミトリーは
用心棒のジョプリング(ウィレム・デフォー)を仕向ける。グスタヴは
ヘンケルに掴まってしまい、投獄された。同室の仲間(ハーヴェィ・
カイテル)が脱獄を計画し、菓子店で働くゼロの恋人(シアーシャ・
ローナン)からの工具入りお菓子の差し入れで脱獄成功するが…。

************

遺産を巡るすったもんだのストーリーは至ってシンプルなのに
様々な色付けがされ、どの角度から見ても楽しめる作品。
古き良き時代のヨーロッパにファシズムの影が落ちるという一見
暗いストーリーでもあるが、時代ごとに変わる色合いがポップに
仕上がっている。

ウェス・アンダーソン監督作品には独特の間がある。台詞と台詞の
間が普通の映画よりも少し空く、あの何とも言えない空気感。
細部まで緻密に作り込まれていて、ワンカットずつがそれぞれ
1枚の写真のように完璧で美しい。

よくぞここまで集めたと感心するほどの個性派豪華キャスト。
いつもは年齢不詳のティルダ・スウィントンを敢えて老婆にするとは
粋な配役だ。作家役のトム・ウィルキンソンから若き日の作家役の
ジュード・ロウにナレーションが移り変わるのが一瞬分からなかった。
声の質が似ているのだろうか。画面のサイズや色合いも年代毎に
異なり、時系列の変化がとても分かり易い。時代を変えても同じ
立ち位置があるなど、よく気を付けて見てみると監督のこだわりが
よく分かる。

洋菓子店メンデルスのお菓子も美味しそう。パッケージデザインは
デメルに似ているが、色はピンク。映画を見た後は何か美味しい
お菓子を買って帰りたくなる。


posted by zooom at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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