
『プライスレス』
Hors de Prix
監督:ピエール・サルヴァドーリ
出演:オドレイ・トトゥ、ガド・エルマレ、ヴァーノン・ドブチェフ
マリー=クリスティーヌ・アダム、
公式サイト:
http://priceless-movie.com****あらすじ****
フランスのリゾート地ビアリッツ。高級ホテルでウェイターを
しているジャン(ガド・エルマレ)は、内気でお人よしな性格。
頼まれごとをすると断れないため、わがままな同僚や宿泊客に
振り回される。
ホテルのバーでは、最後の客が中々帰ろうとしない。同僚は先に
仕事を切り上げてしまったため、ジャンが客の対応をしていた。
接客中は酒を飲んでもいけないし、ソファに腰掛けるのは、ご法度
なのだが。客を無碍に扱うこともできず、強引に座らされたジャン。
コニャックと、客がわざわざ自家用ジェットで取り寄せたという
キューバ産の超高級葉巻を付き合うことに。いつしか、ソファで
眠ってしまった。
そこへ、イレーヌ(オドレイ・トトゥ)がやってきた。年の離れた
恋人のジャック(ヴァーノン・ドブチェ)とヴァカンスを過ごし
誕生日を祝う予定だったのだが。ジャックはミニバーの酒を飲んで
酔い倒れてしまった。独り寂しくバーに下りてきたのだ。
金持ち狙いのイレーヌは、ウエィターのジャンを宿泊客だと勘違い。
ジャンも億万長者を演じ、スイートルームで一夜を過ごす。
翌年の夏。カンヌのホテルで働いていたジャンは、偶然にもホテル
内で、イレーヌを見かけた。ジャックとヴァカンスを楽しんでいた
イレーヌも、ジャンを覚えていた。ジャックから指輪を渡された
イレーヌは念願の玉の輿婚というゴールが見えたのだが。ジャンも
捨て難い。一方のジャンは、ホテル内でレーヌと顔を合わる度に
内心ドキドキ。働いているスタッフだとバレないよう何とか上手く
取り繕うのだが。今度は、あっさりと正体がバレてしまった。
玉の輿狙いのイレーヌには、しがないウェイターのジャンはお呼びで
ない。ところが。運悪く、イレーヌとジャックが密会している事が
ジャックにバレてしまい、婚約指輪も取り上げられてしまった。
傷心のイレーヌは新たなパトロンを見つけるため、ニースへ。
イレーヌのことが忘れられないジャン。イレーヌを追ってニースへ
来てしまった。イレーヌのためにモナコの高級ホテルに部屋を取り
必死で貢ぎ続けるジャンだったが。イレーヌは高級ブランドの服や
靴、バッグなどを次から次へと買い漁る。ジャックの貯金はすぐに
底をついた。イレーヌから帰りの切符を渡されたジャック。
クレジットカードが限度額を超えたため、ホテルの支払いができず
警察に引き渡されそうになったジャン。最高級スイートに宿泊中の
裕福な未亡人マドレーヌ(マリー=クリスティーヌ・アダム)に
助けられた。
イレーヌも新しいパトロンを見つけ、同じホテルに滞在中と知った
ジャンは、マドレーヌのジゴロになることに。これで、イレーヌの
そばにいることができる。図らずとも、イレーヌとは同志のような
関係になってしまったジャン。イレーヌからは、貢がせるコツや
口説き文句を伝授され、ジャンは3万ユーロもする腕時計をもらい
スクーターを自分名義で買ってもらうことに成功した。
お互いの貢物を見せ合ううちに、気の置けない仲になっていった
イレーヌとジャン。ある晩、ホテルを抜け出した二人は誰もいない
入り江でピクニックをし、朝まで過ごした。
イレーヌがパトロンとヴェネチアに発つことになった。
隙をみて、マドレーヌの部屋でキスを交わすイレーヌとジャン。
またしても、見られてしまった。水着姿で取り残されてしまった
イレーヌ。ジャックに助けを求めるが・・・。
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ビアリッツ、カンヌ、ニース、モナコ。フランスの超高級リゾート
ホテルを舞台に、ハイジュエリーや高級ブランドのドレスや靴や
バッグが満載。スクリーンの隅々まで豪華。ため息の出るような
作品だ。物語よりも、小物重視によく見たい作品だ。
馬子にも衣装とは、正にこの作品のことだろう。主役のジャン役を
演じたガド・レルマレ。普段着のジャンパー姿と、貢いでもらった
ダークスーツとャガー・ルクルトの時計でビシッと決めた姿では
雲泥の差。まるで別人だ。
この映画を見て、南仏アンティーブ&ジュアン・レ・パンで過ごした
夏を思い出した。皮膚科医がとても多い場所でもある。
浜辺で甲羅干しに勤しむ人たち。老若男女問わず、日焼けした肌を
自慢して歩いていたが。私には、小麦色の肌よりも、肩や胸元の
シミが気になって仕方なかった。20代前半の若さでシミだらけの
肌は、悲しい。
作品の中でも、きれいに日焼けした肌がドレスによく似合っていた
オドレイ・トトゥ。彼女の場合は、ミスティ・タンだろう。