2007年12月22日

映画でしりとり 『ニュー・シネマ・パラダイス』

『グッバイ!レーニン』に続き、77回目は、

『ニュー・シネマ・パラダイス』
Nuovo Cinema Paradiso
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ
マルコ・レオナルディ、アントネラ・アッティーニ

****あらすじ****

映画監督として成功している中年のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ
(ジャック・ペラン)。夜遅くローマに帰宅すると、留守電には
シチリアに住む母(プペラ・マッジョ)からの伝言が入っていた。
アルフレードが亡くなったという知らせだった。
アルフレードという名前を聞き、鮮明に蘇る幼い頃の思い出。

当時、トトと呼ばれていた少年時代(サルヴァトーレ・カシオ)の
サルヴァトーレ。ある日、母親(アントネラ・アッティーニ)から
買い物を頼まれたが。そのお金で映画を見てしまい、母に叱られた。
村の中心にある広場前には、パラダイス座という映画館があった。
すっかり映画に魅了されてしまったトト。こっそり、試写室を覗く。
パラダイス座には司祭の厳しい検閲があり、上映前にキスシーンが
カットされていた。何度となく映写室に忍び込もうと試みるトト。
フィルムを扱う技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)はトトを
追い返す。フィルムは可燃性で火事の危険があったからだ。
諦めないトト。小学校での試験でアルフレードに交換条件を出し
試写室に出入りできるようになった。トトは検閲でカットされた
フィルムをこっそり集めるようになる。

ある日、フィルムに火が付いてしまった。パラダイス座は瞬く間に
燃え尽きてしまう。アルフレードは火傷が原因で失明してしまった。
宝くじに当たった村人のおかげでパラダイス座は再建された。
アルフレードに代わりトトが映写技師になった。もはや検閲もなく
フィルムも不燃性に。

青年に成長したトト(マリオ・レオナルディ)は、銀行家の娘エレナ
(アニェーゼ・ナーノ)に恋をした。ひたむきな想いが実り、二人は
幸せなひと夏を過ごすのだが。エレナの父親は二人の恋愛に断固
反対だった。エレナの一家はパレルモに引っ越してしまう。
トトは兵役に。エレナへの思いを何度も手紙に綴る。だが。
エレナからの返事はなかった。

除隊後村に戻ってきたトト。しかし。村にはエレナの姿はなかった。
アルフレードはトトに、村を出て行くようにと勧める。しかも。
二度と村に戻ってくるなと。厳しく突き放すアルフレードに戸惑い
ながらも、トトは故郷の村を後にする。

アルフレードの教え通り、トトは故郷に戻ることはなかった。
アルフレードの葬儀に出席するため、30年ぶりに故郷の村に戻って
きたトト。アルフレードの棺を乗せた行進は、広場前で止まった。
駐車場に姿を変えようとしていた。広場。荒れ果てたパラダイス座。
30年の間に、顔見知りの村人も年老いた。すっかり立派になった
トトを尊敬の眼差しで見つめる村人達。

葬儀後に。アルフレードの妻からトトに渡された形見の、缶。
中には検閲でカットされたフィルムの断片が。

************

何回、この作品を見ただろう。
見る度に感動し、モリコーネのBGMが数フレーズ聴こえただけで
ジーンと熱いものが込み上げてくるのを感じてしまう。
淀川長治の、あの名ゼリフが正にぴったりくる、不朽の名作だ。
この作品が数ある映画の中で一番好きだという人も多いだろう。
『ニュー・シネマ・パラダイス』は映画館で見たい作品。

映画への愛、故郷への愛、師弟愛、親子愛、隣人愛。愛に包まれた
温かい作品だ。ジュゼッペ・トルナトーレ監督が29歳の時に
撮った作品だったとは。

アルフレードを師とし、父のように慕うトトと、トトを心から愛し
トトの将来のために、突き放したアルフレード。村が変わっていく
様子を目にすることはできないものの、耳や体で感じていたはずの
アルフレード。どんな思いで晩年を過ごしていたのだろう。
フィリップ・ノワレが演じたアルフレードは愛すべき人物だ。

多くを語らないアルフレードの想い。形見のフィルム缶にぎっしり
詰まっていた。ラストの、アルフレードの形見のフィルムを繋げ
キスシーンだけを繋げた映像を、独り試写室で見入るトトの眼差し。
笑顔が、幼い頃のトトとそっくり。いい表情だ。パラダイス座で
過ごした村での思い出が走馬灯のように次々と現れるシーン。
見ている方も、トトと同じ気持ちになる。

少年のトトを演じたサルヴァトーレ・カシオが愛らしく、利口で
しっかり者の演技も上手い。青年役のトトは恋する少年のしぐさが
甘すぎる。中年のトトは、さすがに上手い。

初公開時に見て不思議に思ったシーンの意味が、後に公開された
完全版で明らかになるが。私は初公開時のオリジナル版が好きだ。

B000YL90DI


次回は、「す」または、「ず」から。


posted by zooom at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画でしりとり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。