2007年10月03日

『ホロコースト 〜アドルフ・ヒトラーの洗礼〜』

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『ホロコースト 〜アドルフ・ヒトラーの洗礼〜』
Amen
監督:コンスタンタン・コスタ=ガヴラス
出演:マチュー・カソヴィッツ、ウルリッヒ・トゥクール
マーセル・ユーレス、ウルリッヒ・ミューエ

****あらすじ****

第二次世界大戦中。ナチス親衛隊の将校クルト・ゲルシュタイン
(ウルリッヒ・トゥクール)は、ある薬品を使い、水を浄化する
システムを考案した。兵士達の飲料水を確保するために研究した
浄水システムのはずが。同じ薬品から毒ガスが作られていた。

ポーランドの収容所でユダヤ人が毒ガスで虐殺されている事実を
目撃してしまったゲルシュタイン。浄水のための薬品のはずが。
恐ろしい副産物を作ってしまった。良心の呵責に苛まれる。
このままでは、ユダヤ人が大量虐殺されてしまう。世界に知らせ
世論を動かし、ナチスの横行を止めさせなければ。

スエーデン大使や、ドイツの教会に、恐ろしい事実を伝えるが。
相手にされない。ついには、ナチス親衛隊を解雇されてしまう。
ゲルシュタインの訴えの場に居合わせた神父リカルド(マチュー・
カソヴィッツ)だけは真剣に受け止めた。イタリアの名家出身で
法皇と親交があったリカルド神父。教会には絶大な影響力がある。
ゲルシュタインが集めた資料を持参し、ヴァチカンへ向かった
リカルド神父。ナチスによるユダヤ人虐殺を止めさせて欲しいと
ローマ法皇ピウス12世に直接訴えた。

ところが。確たる証拠がないためと、ローマ法皇はナチスを黙認。
何の行動も起こさない。

それでも。リカルド神父は、独り行動を起こす。

************

事実に基づいた話。クルト・ゲルシュタイン将校も、実在の人物。
ナチス側からの内部告発にいち早く反応し、対応していたなら。
時のローマ法皇ピウス12世が倫理的な行動を起こしていたなら。

元々、キリスト教徒は反ユダヤ主義的な考えを持っている。
ガス室に送られたのがユダヤ人ではなく、キリスト教徒だとしたら
教会側が取った行動は違っていたはず。

権力の横行に対する、影響力のある者の黙認と無関心は恐ろしい。

客観的な視線で淡々と描いている作品ゆえに、見終わった後に残る
何ともいえない、やるせなさ。

フランス映画祭横浜で上映された際、エンドロールが流れる間も
上映後にコスタ=ガヴラス監督が舞台挨拶に出てきた時も、拍手が
続いた。5分以上、スタンディングオベーションが止まなかった。
手が痛痒くなるのも忘れて賞賛を続けたのは、初めてだった。
それほど、衝撃を受けた作品だった。映画館ではなく映画祭で
見たことが影響しているのかもしれないが。

吹き替え調のフランス語だったなら、感動と衝撃は薄らいだだろう。
フランス映画祭上映時の邦題、『アーメン』のままで良いのでは。
DVD発売時の邦題では、監督の言わんとする主題と、「アーメン」
という言葉の重みが伝わらない。


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posted by zooom at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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