2007年09月22日

『ミス・ポター』

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『ミス・ポター』
Miss Potter
監督:クリス・ヌーナン
出演:レニー・ゼルヴィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン
ビル・パターソン、バーバラ・フリン

公式サイト:http://www.excite.co.jp/cinema/miss-potter

****あらすじ****

1902年のロンドン。ヴィクトリア朝の封建的な社会。上流階級の
女性は、お茶会で天気の話をするのが仕事。独身の女性が仕事を
持つなど、ありえない時代だった。裕福な法廷弁護士の父(ビル・
パターソン)を持つビアトリクス・ポター(レニー・ゼルヴィガー)は
32歳。独身。何不自由ない暮らしを送っている。趣味は水彩画。
母(バーバラ・フリン)は条件のいい良家の男性との縁談を何度も
持ちかけるが。ビアトリクスには結婚の魅力を感じない相手ばかり。
一生独身でいようと決めていた。

子供の頃に夏を過ごした湖水地方での日々が、後のビアトリクスを
変えることに。湖の近くで見かけたウサギやアヒルなどの小動物の
絵を描くことが昔からの趣味。動物の逸話を語り聞かせるることが
得意だった。スケッチに描いた動物が、ビアトリクスの唯一の友達。

出版社を訪れたビアトリクス。手には、青いジャケット姿のうさぎ
ピーターラビットや、アヒルのジマイマのスケッチ。物語をつけて
絵本にしたい。ウォーン社に持ち込むと。経営者のウォーン兄弟が
出版を承諾してくれた。彼らには、もう1人弟が。足の不自由な
母のお守りをしていた末の弟ノーマン(ユアン・マクレガー)が
出版社で働きたがっていた。失敗しても構わない仕事を与えようと
思っていた矢先の出来事。ビアトリクスの出版を押し付けたのだ。

すっかりやる気になったノーマン。幾度となくビアトリクスと
打ち合わせし、ビアトリクスと印刷所で刷り出しの色合いを決め
製本に向けて一生懸命。ビアトリクスも、今までとは違った世界を
楽しんだ。ただし、どこへ行くにもお目付け役のばあやが同行。
良家の子女たるもの、道を踏み外してはならない。
ウォーン家のお茶会に誘われ、彼の母や、独身を謳歌する先進的で
個性的な姉ミリー(エミリー・ワトソン)と、すっかり意気投合。

階級の違う商人達と付き合いがあるビアトリクスを良く思わない母。
一刻も早くビアトリクスの絵本が出版され、いつもの平穏な日々が
戻るのを心待ちにしている。

完成した絵本『ピーターラビットのおはなし』は、あっという間に
ベストセラーに。もう、ノーマンと会う機会もないと残念に思う
ビアトリクスだったが。ノーマンの説得で、ピーターラビットの
シリーズ化が決まる。心躍るビアトリクス。大親友ピーターの
絵本を書き続けることができるのも嬉しいが。何より、ノーマンと
また会うことができるのが嬉しい。

上流階級の友人が集う、恒例のポター家のクリスマス・パーティ。
ノーマンとミリーを招待したいと頼むビアトリクス。母の怒りが
爆発した。商人を招くなど、もっての外。ところが。芸術を愛し
画家に憧れた父は絵本の価値を認め、彼らの招待を許してくれた。

クリスマス・パーティの夜。クリスマスプレゼントを渡すために
ビアトリクスの部屋にノーマンを招き入れる。もちろん、部屋の
ドアは開けたまま。外には、お目付け役のばあやが。ノーマンは
紅茶にブランディーを入れ、ばあやは眠ってしまう。
オルゴールの音色に合わせ、ダンスを踊るために手を取り合った
瞬間。不思議な感覚が。ノーマンの突然のプロポーズの言葉。
返事をする間もなく、母の邪魔が入ってしまった。
動揺するビアトリクス。親友ミリーに相談すると。賛成してくれた。
ノーマンの帰り際に、彼の耳元に小さく「イエス」と返事をした。

早速、ビアトリクスの父に婚約の承諾をもらいに行くノーマン。
両親は大反対。身分が違いすぎると激怒する母。ポター家も昔は
商人だったと譲らないビアトリクス。口をきかず、食事も一緒に
取らないビアトリクスに、父は妥協案を持ちかける。
今年も湖水地方で夏を過ごし、秋が来てもお互いの気持ちが全く
変わらなければ、結婚を認めるというもの。心変わりした時のため
秋までは婚約はノーマンの家族には秘密にするという約束で。

湖水地方へ向かう汽車に乗り込む駅のホームで待つビアトリクス。
雨に濡れたノーマンが見送りにやって来た。ひと目もはばからずに
初めて交わした口づけ。汽車が発車し、遠くなるお互いの姿。
思わず、初めてファーストネームで呼び合う。「さようなら」
湖水地方のビアトリクスのもとに何通も届くノーマンからの手紙。
ところが。ヒルトップにある小さなコテージをみつけ、ノーマンと
一緒に過ごしたいと返事を書いてから、パタリと音信が途絶えた。
そして、ミリーから届いた手紙には・・・。

************

予告を見てから、気になっていた。ロケ地は、似せた場所ではなく
本物の湖水地方。湖と丘陵に囲まれた美しい世界。
描かれたばかりのピーターラビットが動く。毛並みのふわふわ感や
柔らかく暖かい感触まで伝わってきそうだ。

15年前、ロンドン旅行のついでに湖水地方に訪れる予定だった。
そんな時に限り、乗っていた飛行機のロンドン到着が4時間も遅れ
同日中の移動が不可能になってしまった。ヒースロー空港の到着
ロビーから、ウィンダーミアのホテルにキャンセルの電話をした
ことがある。以後、気になっていた場所。益々行ってみたくなった。
15年前に訪れていたとしても、15年後に訪れても、変わらない
湖水地方の風景。ビアトリクス・ポターとナショナル・トラストの
活動のお陰だ。

ピーターラビットやジマイマなど、描かれたスケッチが愛らしい。
また、少女時代のビアトリクスを演じた子役の演技も中々のもの。
ともすると、メロドラマになりがちな展開。映像やBGMで盛り上げ
すぎることなく仕上げていたのがよかった。駅でのシーンは後の
二人に別れがあることを予感させる。

ハンサムながらも誠実で地味な青年役が意外と上手いユアン・
マクレガー。髪型を七三分けにすると、雰囲気がガラリと変わる。
ノーマン役も適役だ。ビアトリクス役のレニー・ゼルヴィガーも
気取らない感じがよかった。喜怒哀楽の表情が豊か。

ポター家で使用されていた食器Wedgwoodのフロレンティーン・
ターコイズ
は1900年当時からあったとは。100年以上経った今も
相変わらず素敵な柄の食器だ。


posted by zooom at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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